空き家勉強会とは
すり鉢状に漁港を望み、懐かしい街並みが郷愁を誘う真鶴町。この変わらない風景にこそ魅力が宿り、多くの関係人口を惹きつけているのだという評価も近年は高まっているようですが、その維持も大きな課題となっています。
いわゆる「空き家問題」を解決すべく、3年ほど前から毎月開催されてきたのが「真鶴空き家勉強会」です。これまでに、空き家をリノベーションした方や、リノベーションを手がける大工さんから直接お話を伺い、知見を深めてきました。
「空き家の可能性を探るウォーキングツアー」
第33回目となる今回は、「空き家の可能性を探るウォーキングツアー」を実施。町内外から約15人ほどが集まり、知らなかった発見やディープなお話、そして未来への提言まで、充実した勉強会になりました。
まずは真鶴港をスタートし、かつて「真鶴銀座」と呼ばれた西仲商店街と、真鶴らしい風情を残す背戸道(せとみち)……真鶴町まちづくり条例『美の基準』にも記載される生活道路を、参加者みんなでじっくりと歩き巡りました。
街歩きならではの“生の声”に感動!
今回の醍醐味は、やはり現地開催ならではの温かい交流です。長年真鶴に住んでいる方から、「これから真鶴でお店を開きたい!」という熱い想いを持った方まで、多岐にわたる方々の“生の声”を聞くことができました。
通りすがりに声をかけてくださった地元の方の昔話も印象的です。「昔の真鶴銀座は商店が多く、夕方にここの道を歩くと人と肩がぶつかるくらい賑わっていた」というお話は、今では考えられない驚きでした。
議論は、一軒の空き家をどうするか、というミクロな視点だけでなく、「エリア全体で見たときの価値ってなんだろう?」「このまちの賑わいの連鎖って、どう生まれるんだろう?」……という、マクロなディスカッションにも発展!
背戸道を守るための大きな課題!
その一方で、魅力的な背戸道を歩きながら、真鶴の未来に関わる大きな課題も浮き彫りになりました。それは、建物を新しく建てる際にネックとなる「接道義務」という法律です。
建築基準法では、原則として幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していないと家を建てられないと定められています。昔ながらの細い背戸道は、この基準を満たさないことが多く、以下のような切実な心配の声が聞かれました。
・「今の法律だと、車道に面していないと家を新しく建てられない」
・「このままでは真鶴の素敵な道が空き地だらけになっちゃうんじゃないか」
しかし、課題が見つかることは、未来を良くするヒントが見つかったということ! この「再建築が難しい」という課題を逆手にとって、「リノベーションや特区制度の活用によって、この風情ある景観をむしろ強みに変えられないか?」という、前向きな意見も出てきました。
次回予告
次回は「空き家を楽しい風景に! 多彩な杉山さんの実践」という内容で、勉強会を実施されるそうです。杉山さんは「まなっこひろば」のリノベーションを手掛けて下さった方で、その様子は先月のこちらの記事でレポートしています。