「物」のお土産も欲しい!
高校3年生の時から、真鶴町に伝わる昔話「ぼんぼん鮫」をモチーフとした「最中(もなか)」を作りたくて活動を続けている私、森花菜ですが……実際の商品として販売するまでには、まだまだ遠い道のり。お菓子を工場で製造して、パッケージングして、箱に詰めて出荷するまでのラインを構築するなんて……一介の大学1年生の力ではとてもとても足りません。
そんな中、真鶴町のお土産もの開発の余地として、「食べ物」ではなく「物」が残されていることに思い至りました。なま物で賞味期限や衛生管理などの制約の多い「食べ物」と違って、「物」ならば、いちど一定量のロットを作ってしまえば、在庫が捌けるまでは毎日稼働する必要もないはずです。
そこで考案したのが、同じ「ぼんぼん鮫」の昔話をモチーフにした「風鈴」です。これをどこかの工房さんにお願いして100個とか、200個とか製作して頂ければ、「お菓子」より早く商品化できるかもしれません。観光協会さんやイベントなどで販売してもらったり、ふるさと納税の返礼品にも良いかもしれません。サメ好きのグッズ蒐集家さんは、全国に散らばっているからです。
「小田原風鈴づくり」
そんなことを考えていた折、父が駅のポスターで「第10回風鈴まつり」という催しを見つけてきました。場所は大磯の「鴫立庵」、約一ヶ月の開催期間中に「小田原風鈴づくり」のワークショップもあるということです。そうです! お隣の小田原町が、日本に数カ所しかない金属製の風鈴、鋳物の名産地だったのです!!
大磯の「鴫立庵」は私が通っていた幼稚園の近く、「湘南」という地名の発祥の地となった場所です。日本三大俳諧道場のひとつに数えられ、1664年に小田原の崇雪という人物が「著盡湘南清絶地」と標石に刻んだのが始まり。今では湘南というと葉山や鎌倉のイメージがありますが、本当の中心地は大磯だったのですね。
当日足を踏み入れると、さすが伝統ある俳諧の建物です。夏でも木陰に遮られた庭園に、吊り下げられた風鈴の音色が涼やかに響いています。指導してくれる先生に、参加者は20人ほど。彫刻刀を使って、用意された風鈴の型に思い思いの模様を彫り込んでいきます。私はもちろん「ぼんぼん鮫」の文字と鮫のイラストを彫りました。
出来上がってきた風鈴は?
ワークショップ参加から1週間ほど待って、私が作った風鈴が出来上がりました。他の参加者の皆さんは郵送をお願いされていましたが、小田原なら大磯よりも近いぐらい! 私は直接取りに工房&お店まで行くことにしました。ゆくゆくはお土産物にしたいため、お話も直接うかがいたかったのです。
出来上がった風鈴は、きちんと細長い紙製の箱に収まって、私がお土産物として売り出したい時のイメージぴったりです。取り出して「ちり〜ん」と振ってみると、良い音色!! 比べた訳ではありませんが、よくあるガラス製の風鈴より、澄んだ音の残響音が長〜く続く気がします。
やらかしちゃいました! 皆さんは上の写真を見て気付かれました? 気付かれましたよね。「ぼ」の文字だけ鏡文字になっちゃってます。鴫立庵での「型」の製作時、金属を流し込むから左右反対になることは注意を受けていたのに……。そして気を付けてもいたのに〜……。
出資者募集中!!
図らずもまた、私のおマヌケぶりが発揮された展開になってしまいましたが、なんとか商品化への道も見えてきました。少なくとも「風鈴」の方が、「最中」よりは道のりが険しくなさそうです。必要なのは新たに鋳造の「型」を発注する費用。これが普通ウン10万円ほどかかるらしいので、またまた学生の私には手の出せない値段です。