イルカだらけの水族館
少し前、X(旧Twitter)でたまたま、東京の品川区にある「しながわ水族館」が閉館してしまうかもしれない、という話を見かけました。建て替えのための閉館は今は延期になっていて、時期もまだはっきりしていません。それでも、水族館がひとつ減ってしまうかもしれない……そう考えると、行けるうちに行こうと思い、行ってきました。私にとっては、初めてのしながわ水族館です。

着いてまず意外だったのが、水族館が大きな池のある公園の中にあることです。池の名前は「勝島の海」。しかもこれが、海水を引いた人工の池だというからびっくりです。ほとりのカフェでは、水族館を見終わった人たちが池をながめながらごはんを食べていました。

敷地に入ると、イルカのオブジェがお出迎え。外にも館内にも、あちこちイルカだらけで、どうしてこんなにイルカ推しなんだろう?と気になりました。そして窓口で受け取った入館券には、イルカのキャラクターと一緒に、なんとトゲチョウチョウウオの姿が!!

今しか見られない、イルカショー!!
イルカ推しの理由を調べてみると、しながわ水族館は1991年の開館当初から、都内初のイルカショーで親しまれてきた水族館だったのでした。今年で開館35周年。イルカは、まさにこの水族館の顔なんですね。ただ、区の発表では、リニューアル後はイルカショーを行わない予定です。

そんな今のうちしか見られないイルカショーに、なんとか間に合いました!! 始まりにはイルカ同士が追いかけっこをして、そのまま同時にジャンプ!! 仲のよさが伝わってきて、野生でしか出会えないような景色に立ち会えたのが、とてもうれしかったです。

SNSでよく見ていた海中トンネルにも、ついに来られました。頭の上を、大きなウミガメやホシエイが泳いでいく姿は、ちょっとしたダイビング気分かも。
いよいよ、私のお目当ての熱帯のお魚コーナーへ。大きな水槽にチョウチョウウオが5〜6種類もいて、さらに大きなナンヨウハギやタテジマキンチャクダイまで一度に見られます。本当にきれいで、この水槽だけを見に来てもいいくらい。

豆チョウ採集の海が、そのまま!?
大水槽もスゴイのですが、私がいちばん長く足を止めたのは、もっと小さな水槽でした。館内には、半分くらいまで水を入れて、上に空間を残した水槽がいくつもあります。水面の"際"が見えるので、水の上と下の両方の世界がのぞけて楽しいんです。

淡水の水槽では、水面にカモがぷかぷか浮かび、その下ではカメが水底を歩いていました。同じ水槽で一緒に暮らせるんだ!! ……と、思わず見入ってしまいました。

もう一つの海水の水槽は、私が豆チョウ採集をしている海の中そのものを再現しているような展示でした。豆チョウとは、チョウチョウウオの幼魚のこと。夏から秋にかけて黒潮に乗って南の海からやってくる小さな魚で、冬の冷たい海は越せないため「死滅回遊魚」とも呼ばれます。
水槽の中では、ほかの魚たちと一緒に泳ぎながらも、トゲチョウチョウウオの豆チョウが、派手で可愛いのでどうしても目立ってしまいます。海の中で豆チョウを見つけたときの、あの気分がそのまま味わえました。今度「チョウチョウウオってどんなところにいるの?」と聞かれたら、この水槽の写真を見せようと思います。

ほかにも、飼育員さんが描いたのか、手描きのタコがなんとも愛らしい「タコの体のつくり」の解説も。ハチマキを巻いたタコの絵は、じつは胴に巻いているので「腹巻」になる、という話には思わず笑っちゃいました。

まさかのエリック・カール!?

何も下調べをせずに行ったので、地下1階でエリック・カールさんとのコラボ展示に出会えたのは、うれしいサプライズでした。特別展「エリック・カールといのちの色 ―同じ世界で、ちがう色―」は、『はらぺこあおむし』の絵本作家と、35周年を迎えたしながわ水族館のコラボ企画で、12月25日まで開催されています。
展示では、生き物の色や模様のひみつを「アートと色」「擬態と観察」の2つのコーナーで紹介しています。目立つ派手な色にも、まわりに溶け込む模様にも、ちゃんと生きるための理由があるんです。

