石屋さんの「青年部」
このたび『まなNAVI』において、真鶴町の「ふるさと納税」についてもご紹介していくことになりました。その第一回目となる今回は、そのふるさと納税の代表的な返礼品にもなっている特産品。真鶴町が誇る「本小松石」についてのお話です。

真鶴には、「本小松石」を扱う石屋さんがたくさん存在します。山で石を切り出す人も、加工場でお墓などを作る人も、その両方をやっている人も……関わる人はたくさんいらっしゃいます。会社はそれぞれ違いますが、そんな石屋さんたちの集まりが『神奈川県石材協同組合青年部』さんになります。

私自身は「真鶴町商工会青年部」に賛助会員として加えて頂いていますが、石屋さんにも青年部があることは、今回初めて知りました。メンバーのほとんどが家業を継いだ2代目以降の方々で、何代目かわからないほど長く続く家の方もいらっしゃるそうです。
同じ青年部でも、商工会とは別の団体。しかもその歴史はずーっと長いようです。今回はそんな青年部の皆さんに、「本小松石」とその歴史について、素材のことからお仕事のことまで、じっくりとお話を伺ってきました。

本小松石とは?
本小松石は、箱根火山の溶岩が固まってできた安山岩(火山の石の一種)で、真鶴の山側で採れる石です。香川県の庵治石(あじいし)、茨城県の稲田石(いなだいし)と並ぶ日本三大名石のひとつ。鎌倉時代から使われ、源頼朝や北条一族のお墓、小田原城や江戸城の石垣にも使われてきました。

実は私、平塚から引っ越してくるまで、本小松石の名前すら知りませんでした。初めて聞いたのは、真鶴出版さんの作るマップを見たときや、町の人と貴船神社に行ったとき……貴船神社の入り口にある大きな石の、彫られた荒々しい感じに惹かれたのを覚えています。
山から切り出して、磨くまで

まずは山。採石場は丁場(ちょうば)と呼ばれ、ブレーカーという機械で岩肌を叩いて、ある程度の大きさの石を取り出します。山から出てくる石は、ひとつとして同じ形がありません。頭の中で立方体をイメージして、いらないところを削っていく……その計算が大変なのだと石屋さんは話します。
表面からは中の色がわからないので、割ってみて、色や傷をひとつひとつ確かめます。お墓は色を揃えて作るので、それを見極めるのも大事な作業です。四角くなった石は、加工場へ。お墓のサイズに切っていくと、山では見えなかった傷が出てくることもあり、大きな石から小さなものしか取れないこともあるそうで。

形が形成されたら、仕上げはハンドポリッシャーという手持ちの研磨機で磨きます。掘り出したばかりの本小松石は、表面が酸化して茶褐色。それを磨くと、灰色がかった緑の、落ち着いた光沢が現れてきます。

もっと気軽に本小松石を
本小松石は、採れる場所によって青っぽいもの、赤っぽいものと色が違い、年数が経つと風合いも変わっていきます。似ている石は国内にも世界にもほとんどなく、唯一無二の石になります。繊細なので、掃除には色が変わりにくい中性の洗剤を使い、油にも気をつけましょう。

ただ最近はお墓を作る人が減り、若い世代にはあまり知られていません。そこで青年部の皆さんは、冊子作りや個展、イベントへの出店などで、本小松石を知ってもらう活動をしています。イベントでは砂利の中から本小松石を探すゲームを開いたり、貴船神社さんの依頼でお守りを作ったり……来年には本小松石の漫画を町の小学校に配る準備も進んでいます。

昔は順番待ちまでできた本小松石ですが、今はぜひ気軽に買いに来てほしいとのことです。お墓だけでなく、庭石や建物の材料としての注文も増えていて、遠く岐阜県の庭師さんからの相談が来ることも。2025年には、箱根駅伝の総合優勝記念の盾にも使われました。
最後にお伝えしたいことをお伺いすると、「お墓の引き渡しのとき、みんな綺麗と感動してくれる。その美しさを知ってもらえたら嬉しい」とのこと。ふるさと納税の返礼品には、本小松石の自然石の一輪挿しや数珠、お墓の購入補助券まで並んでいます。町の外に住んでいる方は、ふるさと納税から手に取ってみるのもおすすめです。
